酸素吸入の効果
濃縮酸素の吸入は、空気中の酸素(約21%)よりも高い濃度の酸素を人為的に吸入することにより、健康の維持・回復のために様々な効果をもたらします。
酸素吸入の効果
呼吸器疾患をかかえるペットに対して、急性時には呼吸を助けてあげることができます。年老いて自力で呼吸をすることが困難なペットに対しても同様です。また、手術後の体力が低下しているときは、濃縮酸素の吸入により血液中の酸素量を増やし、細胞組織に十分な酸素を供給することによって体力の回復を早める効果があるほか、長期的な酸素不足による高血圧や心不全などの合併症を防ぐ効果もあります。さらに、酸素の吸入は血行を良くし、代謝を上げることによって肉体的な疲労を回復させるとともに、脳内に酸素を行きわたらせて自律神経を整えます。その結果睡眠の質も良くなり、精神的なストレスを解消する効果も期待されています。
ぺっトも人間同様、遊んだりはしゃぎ過ぎたりすれば体は疲れますし、感情を持っていますから精神的なストレスを感じることもあります。酸素濃縮器をご活用することで、ペットが元気で生き生きとした表情を取り戻してくれれば、飼い主様もきっと安心なさることと思います。サービスをご提供する私たちも、ペットと飼い主様のさらなる幸せにつながるよう心から望んでおります。
活性酸素について
上記のように濃縮酸素の吸入は体に良い効果をもたらしますが、長期的な吸入によって活性酸素を多く発生させてしまい、この増加した活性酸素による体への悪影響を心配する声もあります。
活性酸素は酸素が体内で消費される過程で、酸素分子の一部が強い酸化作用により変化してつくられるもので、取り込まれた酸素のうち2%は活性酸素に変わると言われています。活性酸素は外部から侵入した細菌やウイルスを除去するという免疫機能を持ちますが、増加し過ぎると細胞を酸化させてからだに悪影響を及ぼすマイナスの要素も持っています。
濃縮酸素の吸入によって、取り込まれる酸素の量が増え、同時に活性酸素も増えるのではないかと心配されるところですが、ペットが吸入する濃度35〜40%程度の酸素では、活性酸素が急激に増える可能性は少ないと考えられています。問題視されているのは、50%を超える非常に高い濃度の酸素を継続的に吸入した場合のリスクですが、通常は医療行為を除き50%を超える濃度での酸素吸入は行いません。したがって、酸素濃度を常に適切な値にしておくことがペットにとって大変重要なことであり、飼い主様は酸素濃度をしっかり管理していく責任が伴うことになります。
活性酸素は取り込まれた酸素以外にも、食習慣の乱れ、たばこの煙や空気の汚れ、紫外線などといった環境の悪化、さらには精神的なストレスによっても発生するといわれています。バランスのとれた食事を与えることや、お部屋の空気を汚さない、ケージを日のあたる所に置かないなどペットのまわりの環境に十分配慮することが大切であり、さらにペットがストレスを感じるようなことは極力避けることが望ましいでしょう。